高齢者向けリフォーム 工事中の「困った」を解消!安心のコミュニケーションと確認ポイント
高齢者向けのリフォームを始められたお客様の中には、「いよいよ工事が始まったけれど、本当にこれで大丈夫かしら?」「職人さんに話しかけてもいいのかな?」といった不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。契約までは慎重に業者を選んだけれど、実際に工事が始まってみると、現場の様子や職人さんの出入りに戸惑ったり、予期せぬ出来事に心配になったりすることは、決して珍しいことではありません。
リフォーム工事は、ご自宅という大切な場所で行われます。工事期間中も、できるだけ安心して過ごしたいものです。この記事では、高齢者向けリフォームの工事中に「困ったな」「あれ?」と感じたときに、どのように考え、どう対応すれば良いのか、安心のためのコミュニケーションと確認ポイントについて分かりやすくご説明します。
工事開始前に担当者と確認しておきたいこと
工事が始まる前に、担当者の方といくつか大切なことを確認しておくと、工事中の不安を減らすことができます。
- 工事の全体的な流れと期間: いつから始まって、どのくらいの期間がかかるのか、大まかな流れをもう一度確認しておきましょう。特に、水回りが使えなくなる期間など、生活に影響がある部分はしっかり把握しておくと安心です。
- 現場の責任者・担当者の名前と連絡先: 現場には複数の職人さんが出入りすることがありますが、全体をまとめる責任者や、お客様の窓口となる担当者の方の名前と、連絡先を控えておきましょう。疑問や心配事があったときに、誰に連絡すれば良いか明確になります。
- 工事時間と作業員の出入りについて: 何時から何時くらいまで作業をするのか、土日の作業はあるのかなどを確認します。また、作業のためにお家の中に入るときや、休憩時間についてなども聞いておくと、心の準備ができます。
- 疑問点があった場合の連絡方法: 工事中に「これどうなっているの?」と思ったときに、電話で連絡するのか、現場の担当者に直接話しかけて良いのかなど、業者さんが推奨する連絡方法を確認しておきましょう。
- ご近所への配慮について: 騒音や工事車両などでご近所に迷惑をかける可能性があります。業者さんが近隣への挨拶や説明をどのように行うのかを確認しておくと、ご自身も安心できます。
これらの点を事前に確認しておくだけで、工事がスムーズに進み、お客様の不安も和らぐはずです。
工事中によくある不安や疑問とその対応
工事中に「あれ?」と感じたり、不安になったりすることはいくつか考えられます。それぞれのケースで、どのように対応すれば良いのか見ていきましょう。
不安1:工事内容が最初に聞いた話と違うように見える
「手すりを頼んだ位置と違うところに印が付いている」「壁の色がイメージと違うかも」など、工事が進むにつれて、最初に打ち合わせた内容と違うのではないかと感じることがあるかもしれません。
- 対応: まずは、遠慮せずに現場の責任者や担当者の方に確認してみましょう。「これはこのように進めるのですね?」といった形で、優しく質問してみてください。専門家だからこそわかる理由がある場合もあります。もし、契約書や見積書の内容と明らかに違う場合は、その書類を見ながら質問すると、話がスムーズに進みます。不安な場合は、スマートフォンのカメラで工事の様子を記録しておくことも有効です。
不安2:追加費用を請求された
工事中に予期せぬ状況が見つかり、「追加で工事が必要になり、費用がかかります」と言われるケースがあります。
- 対応: 追加費用が発生する理由を、具体的に分かりやすく説明してもらいましょう。なぜ追加工事が必要なのか、その工事内容と費用はいくらなのかを、口頭だけでなく書面でも提示してもらうように依頼してください。その場で即決せず、納得がいくまで説明を聞き、可能であればご家族にも相談してから判断することが大切です。信頼できる業者であれば、追加工事の必要性と費用について、丁寧な説明とお客様の同意を得る手続きをしっかりと行います。
不安3:職人さんの態度や言葉遣いが気になる
現場で作業する職人さんの言葉遣いが荒かったり、態度が高圧的に感じられたりして、話しにくいと感じることがあるかもしれません。
- 対応: 直接職人さんに言いにくい場合は、現場の責任者や、契約した業者会社の担当者の方に相談してください。「〇〇さんの言葉遣いが少し気になります」といったように、具体的な状況を伝えると、業者側も対応しやすくなります。お客様が気持ちよく過ごせるように配慮することも、信頼できる業者の大切な姿勢です。
不安4:現場が散らかっている、養生(保護シート)が不十分に見える
工事現場が整理整頓されていなかったり、工事しない場所にホコリがかからないようにする養生がしっかりされていないように見えたりして、心配になるかもしれません。
- 対応: 現場の安全や、お客様のご自宅を守るために非常に重要なことです。現場の責任者や担当者に、「もう少し片付けていただけると助かります」「こちらの部屋にも養生をお願いできますか」といった形で、改善をお願いしてみましょう。信頼できる業者は、安全管理と現場の整理整頓を徹底しています。
不安5:これで本当に仕上がるの? 見た目が不安
工事の途中の段階では、完成形がイメージしにくく、「本当にきれいになるのかしら?」と不安になることがあるかもしれません。
- 対応: 工事途中は、壁の下地が見えていたり、配線や配管が出ていたりして、完成とは見た目が大きく異なるのが普通です。これも遠慮なく担当者の方に質問してみましょう。「この後どのように仕上がるのですか?」「完成したらどういう見た目になりますか?」と尋ねれば、丁寧に説明してくれるはずです。
信頼できる業者の「工事中」のサイン
工事が始まってからも、信頼できる業者かどうかを見分けるポイントがあります。
- 毎日の報告や定期的な進捗報告がある: 今日の作業内容や、今後の予定などをこまめに伝えてくれる業者は安心できます。
- 現場が整理整頓されている: 材料や道具がきれいに片付けられていて、作業していない場所にはホコリがかからないよう養生がしっかりされているなど、安全で丁寧な仕事ぶりがうかがえます。
- 作業員が礼儀正しい: 現場に出入りする職人さんや作業員が、お客様に挨拶をしたり、丁寧な言葉遣いを心がけたりしています。
- 変更点や追加について、きちんと説明と同意を求める: 予期せぬ状況で工事内容の変更や追加が必要になった場合に、その場で勝手に進めず、必ずお客様に説明し、納得を得てから対応します。
- お客様の疑問や質問に誠実に答える: 忙しい中でも、お客様からの質問に耳を傾け、分かりやすく丁寧に説明する姿勢があります。
- 近隣への配慮を怠らない: 工事の音や車の出入りについて、近所の方への配慮をきちんと行います。
「これは要注意」悪質な業者やトラブルのサイン
逆に、工事中に「これはおかしいな」と特に注意が必要なサインもあります。
- 説明なく勝手に工事内容を変更する: 事前の打ち合わせや契約書にない工事を、説明なしに進める。
- 理由が不明確な高額な追加費用を請求する: なぜ追加費用がかかるのか、具体的な説明がなく、高額な金額を要求する。
- 質問や疑問に対して曖昧な答えや威圧的な態度をとる: お客様からの問い合わせを面倒くさがり、誠実に対応しない、あるいは高圧的な態度をとる。
- 工事現場が常にひどく散らかっている、安全対策が全くされていない: ケガにつながるような危険な状態が放置されている。
- 事前の打ち合わせと明らかに違う施工をしているのに、説明を求めるとごまかそうとする。
このようなサインが見られた場合は、すぐに業者と話し合い、必要であれば工事を一時中断してもらうことも検討してください。
どうしても解決しない場合は公的な窓口へ相談を
業者との話し合いで不安や問題が解決しない場合は、一人で悩まず、専門機関に相談することが重要です。
- 消費生活センター・国民生活センター: リフォーム工事に関するトラブルを含め、消費生活全般に関する相談を受け付けています。最寄りの消費生活センターに電話で相談できます。「消費者ホットライン188(いやや!)」に電話すると、お近くの消費生活相談窓口につながります。
- 自治体の窓口: お住まいの自治体によっては、住宅リフォームに関する相談窓口を設けている場合があります。広報誌などで確認してみてください。
相談する際には、契約書、見積書、これまでの業者とのやり取りの記録(メール、手紙、メモなど)を手元に準備しておくと、スムーズに相談が進みます。
まとめ
高齢者向けリフォームの工事中は、普段の生活とは違う状況になるため、様々な疑問や不安を感じやすいものです。大切なのは、疑問を感じたら遠慮せず、早めに業者に確認することです。信頼できる業者であれば、お客様の不安に寄り添い、丁寧に対応してくれるはずです。
この記事でご紹介した確認ポイントや、信頼できる業者のサイン、そして「これは要注意」なサインを参考にして、工事中も安心してリフォームを進めていただければ幸いです。万が一、業者との間でトラブルになってしまった場合でも、一人で抱え込まず、公的な相談窓口を利用できることを覚えておいてください。安心・安全なリフォームを実現するために、ぜひ今回の情報をご活用ください。