【安心リフォーム】高齢者向けリフォーム 地元工務店?それとも大手?それぞれの特徴と選び方
高齢者向けリフォーム、どこに頼めばいい?地元工務店と大手リフォーム会社の特徴
ご自宅での暮らしに安心をプラスするために、手すりの取り付けや段差の解消といったリフォームを検討されている方もいらっしゃるかと存じます。いざリフォームを考え始めたとき、「どこの会社に頼めば良いのだろうか」「安心してお任せできるのはどこだろうか」と迷われることは少なくありません。
リフォームを請け負う会社には、主に「地元の工務店」と「大手のリフォーム会社」があります。それぞれに異なる特徴があり、どちらを選ぶべきか悩む方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、地元工務店と大手リフォーム会社のそれぞれの特徴をご紹介し、皆様のリフォーム内容や状況に合わせて、より安心できる業者を選ぶためのポイントを解説いたします。ご自身の希望に合った信頼できる業者を見つける一助となれば幸いです。
地元の工務店の特徴とメリット・デメリット
まずは、地域に根ざした地元の工務店の特徴を見てみましょう。
メリット
- 地域密着で迅速な対応が期待できる 地域に根ざしているため、移動時間が少なく、何かあったときの駆けつけも比較的早い傾向があります。工事の途中で少し気になる点が出てきた場合なども、相談しやすいことが多いでしょう。
- 担当者との距離が近く、柔軟な対応が可能 会社の規模が小さめなこともあり、社長やベテランの職人さんが直接対応してくれることもあります。細かな要望や急な変更などにも、比較的柔軟に対応してもらえる可能性があります。顔なじみになりやすく、じっくり相談に乗ってもらえる安心感があることもあります。
- 価格が抑えられる場合がある 大手のような広告宣伝費や組織運営に関わる費用が少ないため、同じような工事内容であれば、価格を抑えられる可能性があります。
- 地域の気候や住宅事情に詳しい 長年その地域で活動しているため、地域の気候風土や、お住まいの家に多い構造などをよく理解しています。それに合わせた適切な工法や提案をしてくれることが期待できます。
デメリット
- 情報収集が難しい場合がある 大手のように大規模な広告を出していないことが多く、インターネット上の情報も少ない場合があります。これまでの実績や評判を調べるには、知人の紹介や実際に相談に行くなど、少し手間がかかるかもしれません。
- 品質や技術にばらつきがある可能性 会社によって技術力や得意分野が異なります。事前に施工事例を見せてもらうなど、その工務店の得意とする工事や品質を確認する必要があります。
- 経営状況を確認しにくい 会社の規模が小さいため、経営状況が外から分かりにくいことがあります。万が一、工事中に倒産するようなことがあれば、追加費用が発生したり、工事が中断したりするリスクもゼロではありません。
- 標準化されたサービスが少ないことも 大手のように統一されたマニュアルやシステムがないこともあります。良く言えば柔軟ですが、悪く言えば対応が担当者によって変わる可能性も考えられます。
大手リフォーム会社の特徴とメリット・デメリット
次に、テレビCMなどで名前を聞くことの多い、大手リフォーム会社の特徴です。
メリット
- 高い知名度と安心感 多くの人が名前を知っているため、まず会社自体に対する安心感があります。経営基盤もしっかりしていることが多く、工事中の倒産といったリスクは非常に低いと言えます。
- 品質やサービスが標準化されている 会社全体で定められた基準やマニュアルに基づいて工事が進められるため、一定の品質が期待できます。担当者の研修制度なども整っていることが多く、対応の質も安定しています。
- 保証やアフターサービスが充実していることが多い 工事に対する保証期間が長かったり、定期的な点検サービスがあったりと、アフターサービスが手厚い傾向にあります。リフォーム後も長く安心して暮らすためのサポートが期待できます。
- 多数の実績と多様な提案力 全国で数多くのリフォームを手掛けているため、様々な状況や要望に対する解決策の引き出しが多いです。最新の設備や建材に関する情報も豊富に持っています。
- 他のサービスとの連携 ハウスメーカー系列であれば、その会社の建てた家の構造を熟知していたり、グループ会社で不動産や介護のサービスを提供していたりと、連携した提案を受けられることがあります。
デメリット
- 価格が高くなる傾向がある ブランド力、広告宣伝費、手厚いサービス体制などのため、価格は比較的高くなる傾向があります。
- 担当者が異動することがある 大きな組織のため、担当者の異動や変更がある可能性があります。最初に相談した方と最後までやり取りできない場合もあります。
- 対応が画一的になる可能性 標準化されたサービスは安心ですが、細かな例外的な要望に対しては、マニュアル通りの対応となり、柔軟性に欠けると感じることもあるかもしれません。
- 下請け業者による施工 実際に工事を行うのは、その大手リフォーム会社と契約している地元の工務店や職人さんであることがほとんどです。誰が来るのか、技術力はどうかを事前に完全に把握することは難しい場合があります。(ただし、大手は厳しい基準で下請けを選定・管理していることが通常です。)
どちらを選ぶべきか?検討する際のポイント
地元工務店と大手リフォーム会社、それぞれに良さがあることがお分かりいただけたかと存じます。では、ご自身のリフォームにおいては、どちらを主に検討すれば良いのでしょうか。いくつかのポイントから考えてみましょう。
リフォームの内容で考える
- 手すり取り付けや段差解消など、比較的小規模な工事 → 地元の工務店が得意としている場合が多く、きめ細やかな対応や価格面でメリットを感じやすいかもしれません。もちろん大手でも請け負いますが、小さな工事だと割高になる可能性もあります。
- 浴室全体やキッチン全体の交換など、特定の設備を交換する工事 → どちらのタイプも実績が豊富です。商品の選択肢の幅広さや、設備メーカーとの連携の強さなどを比較検討すると良いでしょう。
- 間取り変更や増築を伴う大規模なバリアフリー改修 → 設計力や構造に関する知識、様々な職種の手配・管理が必要となるため、実績が豊富で組織力のある大手や、設計事務所と連携している工務店などが向いています。長期保証やアフターサービスが手厚い大手も安心材料になります。
予算で考える
予算を最も重視したい場合は、価格を抑えられる可能性のある地元の工務店を複数比較検討してみるのが一つの方法です。ただし、価格だけでなく、工事内容や使用する材料が適切であるかをしっかり確認することが重要です。大手は見積もりが明瞭であることが多いですが、価格交渉の余地は少ない傾向にあります。
重視する点で考える
- 担当者との密なコミュニケーションや柔軟性 → 地元の工務店の方が、担当者と直接じっくり話せる機会が多い傾向にあります。
- 工事の品質や会社の信頼性、長期保証 → 標準化されたサービスや充実した保証を求める場合は、大手の方が安心できる材料が多いかもしれません。
- 地域の特性に合わせた提案 → 地元の気候や環境をよく知る工務店の方が、より適した提案をしてくれる場合があります。
- 急なトラブル対応への安心感 → 組織力のある大手の方が、何かあったときの対応体制が整っている可能性が高いです。
共通して確認すべき「信頼できる業者」のサイン
地元工務店か大手かに関わらず、リフォームを依頼する上で最も大切なのは、その会社が「信頼できる業者」であるかを見極めることです。悪質な業者に騙されないために、以下の点に注意しましょう。
- 契約を急かさない 「今契約すれば割引になる」「今日中に決めないと」などと契約を急かす業者は要注意です。じっくり検討する時間を与えてくれる会社を選びましょう。
- 説明が丁寧で分かりやすい 工事内容、費用、期間などについて、専門用語を避け、誰にでも分かるように丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。疑問点に誠実に答えてくれるかも重要です。
- 見積もりが明確で内訳が詳細 「一式」といった大まかな見積もりではなく、材料費、工事費(どのような作業にいくらかかるか)、諸経費などが明確に分けられているか確認しましょう。追加費用が発生する場合についても、どのようなケースで発生する可能性があるか説明があるか確認しましょう。
- 会社の所在地や連絡先が明確 固定電話番号があり、所在地がはっきりしている会社を選びましょう。
- 実績や許可・登録を確認できる これまでの施工事例を見せてもらう、建設業の許可やリフォーム関連の登録(リフォーム評価ナビなど)があるか確認することも参考になります。
- 契約書の内容が適正か 工事内容、金額、工期、支払い条件、保証期間などが明確に記載されているか、契約前にしっかり確認することが不可欠です。
迷ったり不安を感じたりしたら
業者選びに迷ったり、契約内容に不安を感じたりした場合は、一人で抱え込まず、第三者に相談することも大切です。
- 消費生活センター 契約に関するトラブルや、業者の対応に疑問を感じた場合に相談できます。匿名での相談も可能です。お住まいの地域の「〇〇市 消費生活センター」などで検索すると連絡先が見つかります。
- 地方自治体のリフォーム相談窓口 一部の自治体では、リフォームに関する専門の相談窓口を設けている場合があります。
- 住宅リフォーム推進協議会などの業界団体 信頼できるリフォーム会社を紹介していたり、相談窓口を設けていたりすることがあります。
まとめ
高齢者向けリフォームの業者選びにおいて、地元の工務店と大手リフォーム会社にはそれぞれ特徴があります。どちらが良い、悪いということではなく、ご自身が希望するリフォームの内容、予算、そして最も重視する点(安心感、価格、担当者との相性など)に合わせて、より適したタイプを選ぶことが大切です。
複数の会社から見積もりを取り、担当者の対応や説明の分かりやすさを比較検討することをお勧めいたします。そして、契約を急かさず、疑問点は納得いくまで質問し、契約書の内容をしっかり確認することが、失敗しないリフォームへの第一歩となります。
この記事が、皆様が安心してリフォームを進めるための参考となれば幸いです。