安心が続く!高齢者向けリフォーム 工事完了後のチェックとアフターフォロー、もしもの相談先
はじめに:工事完了は安心の始まり
ご自宅のリフォーム工事、無事に完了されたとのこと、本当にお疲れ様でした。これで安心して毎日を過ごせる、と感じていらっしゃることと思います。
しかし、リフォームは工事が終わって「引き渡し」を受けたらすべてが終わり、というわけではありません。せっかく行ったリフォームで、その後の安心な暮らしが長く続くためには、工事完了後にもいくつか大切な確認事項や、もしもの時の備えについて知っておくことが重要です。
この記事では、リフォーム工事の「引き渡し」で確認すべきこと、工事完了後の「アフターフォロー」や「保証」の大切さ、そして万が一、不具合が見つかったり、何か困ったことが起きたりしたときに、どこに相談すれば良いのかについて、分かりやすくご説明いたします。
リフォーム工事の「引き渡し」で確認すべきこと
工事が完了すると、通常は業者の方と一緒に、実際に工事が行われた場所を確認する「引き渡し」という作業があります。このとき、以下の点を落ち着いて確認することが大切です。
- 契約通りの工事が行われているか
- お願いした場所(廊下、浴室、玄関など)に、必要なもの(手すり、段差解消スロープなど)がきちんと取り付けられているかを確認します。
- 契約書や工事の図面(もしあれば)と照らし合わせながら確認すると、より正確です。
- 仕上がりはどうですか?
- 壁や床、取り付けられた設備に傷や汚れ、不具合がないか、見て触って確認します。
- 手すりはしっかりと固定されていますか?力を入れてもぐらつきませんか?
- 段差解消のために設置された場所は、つまずきやすい箇所や隙間がありませんか?
- 新しい照明器具などはきちんと点灯しますか?
- 設備の動作確認
- 新しいキッチンやお風呂の設備が入った場合は、業者の方と一緒に水を出したり、スイッチを入れたりして、問題なく動くか確認します。
- 特に高齢者向けリフォームで設置したものは、使い勝手や安全性をその場で試してみましょう。
- 清掃状況
- 工事中に発生したゴミやホコリがきちんと片付けられているか確認します。工事箇所の周りがきれいになっていると、気持ちよく新しい生活を始められます。
- 業者からの説明は十分か
- 工事内容について改めて説明を受けましょう。特に、追加になった工事や変更点があれば、その理由や費用について納得できるまで説明を受けることが大切です。
- 新しい設備の使い方やお手入れ方法についても、説明書などを受け取り、分からないことは質問しましょう。
もし、この引き渡しの場で気になる点や、「これは違うのでは?」と思うことがあれば、その場ですぐに業者の方に伝えて確認してもらいましょう。遠慮せず、納得できるまで質問することが後々の安心につながります。この場で、工事完了を証明する書類へのサインを求められることがありますが、すべての確認が終わり、納得できてからサインするようにしましょう。
工事完了後の「アフターフォロー」と「保証」は大切です
リフォーム工事が終わった後も、安心して暮らすためには、万が一の不具合に備える「アフターフォロー」や「保証」がとても重要です。信頼できるリフォーム業者は、工事が終わってからもお客様とのつながりを大切にし、責任ある対応をしてくれます。
- リフォームにも「保証」があります
- 新築の家と同じように、リフォーム工事にも保証が付いている場合があります。これは主に、工事そのものに不備があった場合の「工事瑕疵保証(こうじかしほしょう)」や、取り付けた設備機器に対する「設備保証」などです。
- 保証の期間や内容は業者や工事内容によって異なりますので、契約の際に確認し、保証書や工事の完了に関する書類は大切に保管しておきましょう。この書類は、もしもの時に保証を受けるために必要になります。
- アフターフォローの重要性
- 信頼できる業者は、工事後にも定期的な点検の案内をくれたり、何か困ったことがあったときにすぐに相談に乗ってくれたりします。
- 工事後に「やっぱりこうだったらよかったな」「少し不便を感じるな」といった些細なことでも、気軽に相談できる関係を築けていると安心です。
工事を依頼する前に、その業者がどのようなアフターフォローや保証制度を持っているかを確認することも、業者選びの大切なポイントの一つです。
万が一、不具合が見つかったり困ったことが起きたら
工事が終わってしばらく経ってから、「手すりが少しぐらつく気がする」「段差を解消した場所のつなぎ目が浮いてきた」など、何らかの不具合に気づくことがあるかもしれません。また、新しい設備の使い方が分からなくなったり、何か心配事が出てきたりすることもあるでしょう。
そのようなときは、まずは契約したリフォーム業者に連絡してみてください。多くの場合、業者が責任を持って対応してくれます。
もし、業者に連絡しても対応してくれない、あるいは業者と何度話し合っても解決しないといった困った状況になってしまった場合は、一人で悩まず、次に説明するような公的な相談窓口に相談することをおすすめします。
問題が発生したときは、以下の点を記録しておくと、相談する際に役立ちます。
- いつ、どのような不具合に気づいたか
- 不具合の状況が分かる写真や動画
- 業者とのやり取り(いつ、誰と、どのような話をしたか)の記録
困ったときに相談できる公的な窓口
リフォーム工事に関して、業者との間でトラブルになったり、疑問や不安を感じたりした場合は、以下のような公的な相談窓口を利用することができます。これらの窓口は中立的な立場で相談に乗ってくれますので、安心して利用してください。
- 消費生活センター
- 商品やサービスに関する消費者トラブルについて、専門の相談員が解決のためのアドバイスやあっせん(話し合いの仲介)をしてくれます。リフォームに関するトラブルについても相談できます。
- お住まいの地域の消費生活センターにつながる全国共通の電話番号として、「188(いやや!)」番があります。この番号に電話すると、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。
- 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
- 住宅リフォームに関する相談を受け付けたり、専門家による検査や、業者との紛争解決のためのあっせん、調停などを行ったりしています。「住まいるダイヤル」という名称で電話相談も受け付けています(電話番号:0570-016-100)。
- お住まいの自治体の相談窓口
- 市町村などの自治体によっては、リフォームに関する相談窓口を設けている場合があります。広報誌や自治体のウェブサイトで確認してみてください。
これらの窓口に相談する際は、契約書や見積書、業者とのやり取りの記録など、関係書類を手元に準備しておくとスムーズです。
まとめ:安心・安全な暮らしのために
高齢者向けのリフォームは、日々の生活の安全と快適さを守るための大切な投資です。工事が無事に終わった後も、安心してその効果を実感し続けるためには、引き渡し時の丁寧な確認や、万が一の際の保証・アフターフォローの重要性を理解しておくことが役立ちます。
何か気になる点があれば、まずは遠慮なくリフォーム業者に相談しましょう。それでも解決しない場合や不安が続く場合は、消費生活センターをはじめとする公的な相談窓口をためらわずに利用してください。専門家や公的機関のサポートを得ることで、問題を解決し、安心を取り戻すことができます。
この記事が、皆様のリフォーム後の生活が、安心で快適なものとなる一助となれば幸いです。