高齢者向けリフォーム 「知らなかった」では済まされない!業者選びの落とし穴と後悔しないためのポイント
高齢になると、ご自宅での暮らしに様々な変化が必要になってきます。段差をなくしたり、手すりをつけたりといったリフォームは、安全で快適な生活を送るために大変重要です。しかし、「どこに頼めば良いのだろう」「悪徳業者に騙されたらどうしよう」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、高齢者向けリフォームでよくある業者選びの「落とし穴」を知り、それを避けるための具体的な対策や、信頼できる業者を見分けるポイントについて詳しく解説します。
高齢者向けリフォームで注意したい「落とし穴」
安心してリフォームを進めるためには、事前に知っておきたい注意点があります。特に、高齢の方を狙った悪質な手口も残念ながら存在します。ここでは、よくある「落とし穴」とその事例、対策を見ていきましょう。
落とし穴1:突然の訪問販売や電話による勧誘
- 事例: 「ご近所で工事をしており、ついでに点検させてほしい」「この地域で補助金制度が始まるので、今ならお得にリフォームできる」などと突然訪問したり、電話をかけてきたりするケースです。点検と称して不安を煽り、高額な契約を迫ることがあります。
- 対策: 知らない業者からの突然の訪問や電話には安易に応じないようにしましょう。特に、「今すぐ契約しないと損をする」といった言葉で契約を急かしてくる業者は要注意です。本当にリフォームが必要か、信頼できる業者か、一旦冷静に考える時間を持つことが大切です。必要なければきっぱりと断りましょう。
落とし穴2:曖昧な見積もりや口約束
- 事例: 見積もりが「リフォーム一式」と書かれているだけで、どんな材料を使うのか、工事内容は何かといった詳細が不明確なケースです。また、見積もりには含まれていないはずの工事について、後から追加費用を請求されるといったトラブルも起こり得ます。
- 対策: 見積もりは、工事内容、使用材料、それぞれの費用などが具体的に記載されているか確認しましょう。不明な点があれば遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めてください。また、口頭での約束はトラブルの元です。重要な合意事項は必ず契約書や覚書などの書面に残すようにしましょう。
落とし穴3:極端な割引や大幅な値引きを提示する
- 事例: 「特別に〇〇%引きにします」「モニター価格で相場の半額です」などと、相場からかけ離れた大幅な割引を提示して契約を迫るケースです。これは、最初の提示額を不当に高く設定しているか、手抜き工事につながる可能性があります。
- 対策: リフォームの費用は、工事内容や使う材料によって様々ですが、おおよその相場を知っておくことは重要です。複数の業者から見積もりを取り、比較することで適正な価格帯が見えてきます。極端に安すぎる、あるいは高すぎる見積もりには注意が必要です。契約を急がせず、じっくり検討しましょう。
落とし穴4:契約や工事を過度に急かす
- 事例: 「今日中に契約しないと補助金に間に合わない」「すぐに工事しないと家が大変なことになる」などと、不安を煽ったり、焦らせたりして即断即決を迫るケースです。冷静な判断をさせないための手口です。
- 対策: リフォームは大きなお金と時間がかかるものです。焦って契約することは避けましょう。少しでも不安を感じたら、「家族に相談します」「改めて連絡します」などと伝え、その場での契約は断ってください。信頼できる業者であれば、しっかりと検討する時間を与えてくれるはずです。
信頼できる業者を見分けるポイント
悪質な業者を避け、安心してリフォームを任せられる信頼できる業者を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。
- 地域での評判や実績: 長年地域で営業している業者や、近所で実際に工事をして評判の良い業者などは信頼できる可能性が高いです。ただし、インターネット上の口コミは参考程度にとどめ、鵜呑みにしないようにしましょう。
- 許認可や資格の有無: 建設業の許可や建築士、施工管理技士などの資格を持っているかどうかも信頼の一つの目安になります。自治体の補助金制度を利用する場合は、登録事業者であるかなども確認すると良いでしょう。(※高齢者向けリフォームで利用できる補助金制度については、お住まいの市区町村の窓口などで確認できます。)
- 丁寧で分かりやすい説明: リフォーム内容や費用、工事の流れについて、専門用語ばかりを使わず、素人にも理解できるように丁寧に説明してくれるかどうかが重要です。質問に対して誠実に答えてくれるかも確認しましょう。
- 明確な見積もりと契約書: 先述の通り、見積もりの内訳が明確で、追加費用の可能性についても事前に説明があるか確認します。契約書の内容も、工事期間、支払い方法、アフターフォローなどがしっかりと明記されているか、不明な点がないか確認しましょう。契約前に必ず書面で取り交わすことが大切です。
- 契約前の現地調査: 適切なリフォームプランや費用を出すためには、実際に家を見て、現状を把握する必要があります。契約前の現地調査をしっかり行う業者は、信頼できると言えます。
- アフターフォローや保証制度: 工事が終わってからも、何か問題があった場合にきちんと対応してくれるか、保証制度はあるかなども確認しておくと安心です。
後悔しないためのチェックリスト
リフォーム業者を選ぶ際や契約する前に、以下の点をチェックしてみましょう。
- 最低でも3社程度の複数の業者から見積もりを取り、比較しましたか?
- 見積もりの内容(工事内容、材料、費用内訳)は明確で、不明な点はありませんか?
- 担当者の説明は丁寧で分かりやすかったですか?質問に誠実に答えてくれましたか?
- 会社の所在地や連絡先(固定電話番号など)は明確ですか?
- 契約書の内容をすべて読み、理解しましたか?(工事期間、支払い条件、追加費用について、アフターフォローなど)
- 口約束ではなく、重要な内容は書面に残していますか?
- 契約や工事を急かされていませんか?冷静に判断する時間はありますか?
- 補助金制度について説明を受けましたか?適用可能か確認しましたか?
- 少しでも不安に思う点はありませんか?
困った時は一人で悩まず相談しましょう
もし、業者選びで不安を感じたり、契約後にトラブルになったりした場合は、一人で抱え込まずに相談することが大切です。
- 消費生活センター: 契約トラブルや悪質商法に関する相談を受け付けています。全国共通の電話番号「188」(いやや!)にかけると、お近くの消費生活センターにつながります。
- 地方公共団体の相談窓口: お住まいの市区町村によっては、リフォームに関する相談窓口を設けている場合があります。役所の窓口などで確認してみてください。
まとめ
高齢者向けのリフォームは、より安全で快適な暮らしを実現するための大切な一歩です。悪質な業者による「落とし穴」に注意し、複数の業者をじっくりと比較検討することが、後悔しない業者選びの鍵となります。
ご紹介したポイントやチェックリストを参考に、誠実で信頼できる業者を見つけてください。そして、少しでも不安を感じたら、決して一人で悩まず、ご家族や公的な相談窓口に相談することを忘れないでください。安心してリフォームを進められるよう願っております。