高齢者向けリフォーム 最初に連絡する業者選び 安心できるか見分けるポイント
高齢者向けのリフォームを検討されている方もいらっしゃるかと思います。自宅での暮らしをより安全で快適にするために、段差解消や手すりの設置など、さまざまな工事が考えられます。しかし、「どこの業者に頼めば良いのか分からない」「高額な費用を請求されないか心配だ」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
特にリフォームの経験があまりない場合、最初の業者選びは不安なものですね。そこで今回は、リフォームを考え始めた方が、最初に連絡する業者を選ぶ際のポイントや、問い合わせや相談の段階で信頼できる業者かどうかを見分けるヒントについてご紹介します。
最初に連絡する前に準備すること
業者に問い合わせる前に、いくつかご自身で整理しておくと、相談がスムーズに進み、より適切な業者を選びやすくなります。
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リフォームの目的と希望を整理する
- 「なぜリフォームが必要なのか」(例:浴室の段差が高くて危ない、廊下で転びそうになる)
- 「具体的にどこをどうしたいのか」(例:浴室の段差をなくしたい、廊下や階段に手すりをつけたい)
- 「どのくらいの予算を考えているのか」(おおまかで構いません)
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家族や身近な人に相談する ご自身の希望や不安について、ご家族や信頼できる友人などと話してみましょう。第三者の視点が入ることで、考えが整理されたり、思わぬ良いアドバイスがもらえたりすることがあります。
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情報収集を少しだけしてみる 地域の広報誌やインターネットで、高齢者向けリフォームに関する情報(例:自治体の補助金制度、リフォーム会社の広告など)を軽く見ておくと、業者との会話の糸口になります。ただし、情報に惑わされすぎず、「こんなことができるのか」といった程度で構いません。
最初の連絡先の選び方のヒント
いざ、「どこに連絡してみようか」と考えたとき、いくつかの選択肢があります。ご自身に合った方法で探してみましょう。
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知人や家族の紹介 すでにリフォーム経験がある知人や家族からの紹介は、業者の実績や人柄に関する生の声が聞けるため、安心感があります。
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地域の工務店やリフォーム会社 地域に根ざした業者は、地元の事情に詳しく、きめ細やかな対応が期待できる場合があります。ただし、高齢者向けリフォームの実績があるか確認すると良いでしょう。
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大手リフォーム会社やハウスメーカー 組織がしっかりしており、実績も豊富であることが多いです。ただし、費用が比較的高くなる傾向や、担当者が代わる可能性がある場合もあります。
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自治体や関係団体 自治体の介護保険課などで、高齢者向けリフォームの相談窓口や、信頼できる業者リストの情報を提供している場合があります。補助金制度についても合わせて確認できます。
どこに頼むか迷う場合は、無理に一つに絞り込まず、複数のタイプの業者に問い合わせてみることも一つの方法です。
最初の電話・問い合わせでチェックするポイント
気になる業者が見つかったら、まずは電話やメールで問い合わせをしてみましょう。この最初の段階で、業者の対応から信頼性をある程度見分けることができます。
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電話対応は丁寧か 電話に出た担当者の言葉遣いや態度が丁寧で、こちらの話を落ち着いて聞いてくれるかを確認しましょう。
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質問に分かりやすく答えてくれるか リフォームの内容や手続きについて、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるかどうかが重要です。「よく分からないな」と思ったことを遠慮なく質問してみましょう。曖昧な返答しかしない、質問をはぐらかすような業者は注意が必要です。
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すぐに「契約しましょう」「訪問します」と急かさないか まずは相談や情報提供から始める姿勢があるかを確認しましょう。問い合わせの段階で、すぐに契約や自宅への訪問を強引に勧める業者は、少し立ち止まって考えた方が良いかもしれません。
最初の訪問・面談でチェックするポイント
実際に自宅に来てもらうことになったら、以下の点に注目して業者の対応を確認しましょう。
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約束の時間を守るか 基本的なことですが、時間を守るかどうかは信頼の第一歩です。遅れる場合は事前に連絡があるかも確認しましょう。
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身だしなみや言葉遣い 清潔感があり、落ち着いた言葉遣いをする担当者であれば、安心感があります。
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こちらの話を丁寧に聞いてくれるか ご自身の困りごとや希望、不安などをしっかりと時間をかけて聞いてくれるかどうかが非常に重要です。一方的に自社のサービスや商品を売り込むだけでなく、親身になって相談に乗ってくれる姿勢があるかを見極めましょう。
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現場をしっかり確認するか リフォーム箇所の状況や、自宅全体の構造などを丁寧に見て、問題点や注意点がないかを確認するかも重要なポイントです。簡単な説明だけで済ませてしまう場合は注意が必要です。
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分かりやすく説明してくれるか リフォームの方法、使う材料、工事期間、費用などについて、専門用語を避け、理解できるように説明してくれるかを確認しましょう。図や資料などを見せながら説明してくれると、より分かりやすいですね。
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複数の選択肢や補助金について提案してくれるか 一つの方法だけを勧めるのではなく、いくつかのリフォーム方法や材料の選択肢を提案してくれるか確認しましょう。また、利用可能な高齢者向けリフォームの補助金制度などについても教えてくれるかどうかも、親切な業者のサインです。
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その場での即決を迫らないか 「今契約すれば割引します」などと言って、その場ですぐに契約することを迫る業者は、信頼性に欠ける可能性があります。「一度家族と相談します」「じっくり検討させてください」と伝え、考える時間をもらいましょう。
悪徳業者の可能性を示す注意サイン(最初の段階で見抜けること)
すべてが悪徳業者というわけではありませんが、最初のコンタクトや相談の段階で、以下のようなサインが見られた場合は特に注意が必要です。
- 突然訪問してきて、「近くで工事をしているので」「点検で回っています」などと言ってリフォームを勧める。
- 「工事をしないと大変なことになる」などと、不安を煽るようなことを言う。
- 「今日契約すれば特別価格」「モニターになってほしい」などと契約を急がせる。
- 見積もりや工事内容について、曖昧な説明しかしない。
- 契約書をすぐに作成したがる、または契約内容を見ようとしない。
これらのサインに気づいたら、その場ですぐに契約したり、お金を払ったりせず、きっぱりと断ることが大切です。
困ったときの相談先
もし、業者とのやり取りで不安を感じたり、困ったことや疑問が出てきたりした場合は、一人で抱え込まず、信頼できる相談先に連絡してみましょう。
- お住まいの自治体の消費生活センター 契約に関するトラブルや、悪徳業者についての相談に乗ってくれます。無料で相談できますので、迷わず連絡してみましょう。電話番号は、お住まいの地域の広報誌やインターネットで調べることができます。
- 弁護士会や司法書士会 法律的な問題や契約について相談したい場合に利用できます。
まとめ
高齢者向けのリフォームを安心してお任せできる業者を見つけるためには、最初の連絡から相談、訪問の段階での業者の対応をしっかりと見極めることが重要です。焦らず、複数の業者から話を聞き、ご自身の疑問や不安を解消してくれる、丁寧で誠実な業者を選んでください。
今回の記事が、皆さまが安心してリフォームの第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。